時代に合わない第3号被保険者制度と130万円の壁

副代表:満永正幸
副代表:満永正幸

副代表 満永 正幸

国民年金の第3号被保険者制度は1985年に創設され、サラリーマンや公務員に扶養される専業・兼業主婦(夫)(年収130万円未満)は、第3号被保険者として国民年金に加入しますが、直接の保険料負担はなく、年金給付のために必要な財源は、その配偶者が加入している厚生年金から支払われます。

自営業や農業などで生計を営む人は、第1号被保険者となり、1人あたり月額16,520円の国民年金保険料を納付しています。今の保険料水準で計算すると、20歳から60歳までの保険料納付額は、約800万円となります。

しかしながら、第3号被保険者の納付額は0円です。将来受給できる年金額は、第1号も第3号も年額795千円となります。年金制度は、一昔前までは「胴上げ型」と言われていましたが、現在は、「騎馬戦型」となっており、将来は「肩車型」となっていくと言われています。

多くの方が支える社会から少数人数で支える現代、1人が1人を支える大変な時代が到来すると言われているにもかかわらず、第3号被保険者制度の見直しは一向に行われません。2022年3月末の第3号被保険者数は、763万人であり、仮にこの方々が国民年金第1号被保険者で保険料を納付すると、年間約1兆5,100億円年金収入が増えることとなります。実に約190万人分の国民年金受給額に相当します。この財源によって、騎馬戦型を維持できるかもしれません。見直しに向けた早急な議論を期待するとともに国会議員に訴え続けます。

また、103万・106万・130万円の壁問題が今、にわかに取り上げられています。とりわけ130万円の壁問題は、130万円を少し超えただけで社会保険料や所得税などで20~25万円の負担となり、実質の手取り額は約110万円となることから、130万円以内に抑えようという心理が働くのは当然だと思います。

この他、配偶者が受け取る扶養手当や配偶者控除(特別控除)などを合わせると手取りは100万円前後となってしまいます。一方、非正規労働者等の処遇改善が急速に進む中で、最低賃金もこの5年間で100円を超える改定額となってきており、年収調整のために勤務調整をする方が増え、結果として労働力不足を加速させています。

現在、政府は130万円を超えても収入が減らない手法を検討していますが、時限的でさらに最大50万円を企業に助成する案が浮上しています。仮に、前述の第3号被保険者763万人にこの案を適用すると、年間約38兆1,500億円の財源が必要となります。膨大な財源はどこから捻出するのでしょうか。私の単純発想は、ある一定額(180万とか)までの第3号被保険者適用は、個人の選択制にすれば財源は必要ないほか、所得税はこの分では増収となります。

今の日本、社会保障費などで厳しい財政運営を強いられています。給付するのではなく解釈の変更で対応するという考え方はできないでしょうか。すべてにおいて財政出動を伴わない改革を実行していかないとこの国は滅びてしまいます。

しっかりしてよ、政治家・官僚!