8.15不戦を誓う日の集会

戦後78年目の集会は、午後6時から鹿児島市国際交流センターで開催、70名が参加。主催者の鹿児島県原水禁・平井一臣議長が開会あいさつ。講師は、長崎大学核兵器廃絶研究センター准教授の中村桂子さん。 講師の中村桂子さんの講演要旨は次のとおり。『 8月11日までウイーンでの核不拡散条約(MPT)再検討会議に向けた会議に12日間出席し帰国しすぐ鹿児島に駆けつけました。鹿児島での集会でお話しできることに感謝します。さて、核兵器についての現状がどうなっているのかを出来るだけ判り易く、かつ丁寧にお話出来たらと考えています。講演のテーマにあるように、今人類は重要な分岐点に立たされています。「核兵器のない世界を実現する」のか、「核兵器のある世界を永遠に続けるのか」ということです。「核兵器をめぐる世界の状況はどうなっているのか?」について、端的にお話しします。推定の数で2023年6月現在存在する核弾頭数は「12,520」個と言われています。冷戦期の約7万個から相当数減っている印象ですが、問題は中味です。総数は減っていますが、現役核弾頭数は増えており、近代化も進んでいるのです。核兵器保有国は9カ国、傘依存国は約100か国、圧倒的に非核国が多数です。

2017年7月7日、国連本部で122カ国の賛成をもって「核兵器禁止条約」が採択されました。核兵器廃絶へ向けた大きな一歩であり、新たな出発点とも言えるものでした。この条約の特徴は、核兵器の非人道性を議論の焦点に、しかも中小国や市民社会が主導したことが大変意義深いものでした。条約では「核兵器は非人道兵器であること」「核兵器の開発、保有、使用、使用の威嚇などあらゆる活動を例外なく禁止」「被爆者・核実験被害者の苦難と努力に言及」「核兵器の被害者に対する援助、環境修復を義務に」「核抑止に依存することの正当性を崩し、核兵器国と核の傘依存国への圧力とする」などが特徴点として挙げられます。これまで問題視されてこなかった核実験による被害への援助救済やジェンダー関連の項目を条約に盛り込んでいることが特徴点です。

ウクライナ危機を受け、「核抑止依存」が強まっていることも憂うべき現実です。私は、相手の年齢やおかれている状況などを踏まえつつ、紋切り型でなく丁寧に核兵器の現状と核抑止論の問題点をお話しする努力を続けて行くべきと考えています。本当に、「核兵器があるから、自分の国や仲間の国の平和と安全を守ることができるのか?」「核兵器禁止条約なんて理想論にすぎない」のかと。

「アメリカの核の傘に守ってもらうことが日本にとって最善の策」「核兵器がなくなったら、北朝鮮や中国に攻撃されてしまうのでは?」「核兵器があるから平和や安全が保たれてきた。それがなくなったら世界はもっと不安定で危険になるんじゃないか」などなど、核兵器依存や核抑止論をまともに受け取る論調は、厚く高い壁のようにも見えます。

核兵器の現状や背景を知らないこと、自分には関係の無いこと、核なき世界のビジョンが描けないことなどにそうして論拠の背景があるように感じています。すなわち「希望」を持つことが出来ない事に要因があるのではないでしょうか。事実(ファクト)を知り、想像力を持ち、世界は変えられるしその主役は「私たち」であることを自覚していくことではないかと考えます。ご清聴ありがとうございました。』

参加者の質疑(3名)にも共に考える姿勢で丁寧に対応いただきました。

閉会のあいさつを、下馬場副議長が行い集会を終えました。なお、受付で実施した馬毛島カンパ「3,700円」は、現地の市民団体連絡会に送金します。ありがとうございました。