「9.18不戦を誓う日の集会」報告
2023年9月18日の「9.18不戦を誓う日の集会」は、鹿児島市国際交流センターにおいて、講師に日本体育大学の清水 雅彦さんを、招いて開催しました。
はじめに、主催者を代表し、下馬場 学・県護憲平和フォーラム共同代表が「原水禁で清水さんから労働組合の重要性に加え、若者との関係を広げることの大切さを学びました。この講演で、より一層の学習を深め政治を動かしたい」と、あいさつしました。
はじめに清水さんは、2017年の鹿児島での講演の思い出を話しながら、まずは「安保3文書」の内容を見て「国家安全保障戦略」が平和主義を標榜しながら、憲法への言及がなかったことへの驚きを表明しました。続いて日本周辺の安全保障環境については、外交による解決の視点が弱いことを指摘、また、2027年度の防衛費GDP比2%問題にも触れ、さらには準軍事組織化する海上保安庁への危機感を訴え、そこから引き出される「台湾有事」への日本の対応、そして「学術会議」の問題と重なる研究者の軍事参画の問題を指摘しながら、これらの背景に「アメリカの要求が潜んでいる事、政権基盤の弱い岸田首相の多数派・安倍派へのアピール、防衛産業の育成を狙っていることが、この安保3文書『国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画』から読み取れます」と、解説しました。
最も問題であり、実質改憲といえる「敵基地攻撃論」に関しては、ロシアのウクライナ侵略に触れながらミサイル基地攻撃から攻撃対象が広がる日本の安全保障能力について、政府の国会答弁では先制攻撃論にエスカレートしていること、そのうえで、集団的自衛権へとさらに進んでいることを指摘しました。
講師は、自衛隊が合憲であると国民の多くが考えていますが、自身の立場からは自衛隊は違憲であると表明。憲法9条は1928年のパリ不戦条約の影響下に生まれたが、9条は2項によって自衛戦争も放棄したと考えられ、この議論は本来、自衛戦争は放棄していない9条1項、または2項どちらの立場かが重要だと説き、日本が「自衛のため」の侵略戦争を行ったため、国連憲章は自衛権の制限をもりこんだとしました。しかし、安倍元首相の「積極的平和主義」はアメリカの戦争に参加するように日本を仕向けるもので、これは「積極的軍事主義」であり、対する「積極的平和」は隷従、貧困など、構造的暴力の根絶を目指していて、これは憲法前文につながると憲法の指標を示しました。ところが戦後、9条による軍事化への制約が防衛費の増大、敵基地攻撃論でなし崩しとなり、現在でも敵基地攻撃は国連憲章違反の恐れがあり、たとえ「敵基地攻撃」ができたとしても、北朝鮮の移動式ミサイルにどう対処するのかの疑問が呈されました。また、この問題への政党や識者の批判も先制攻撃論だけではなく、存立危機事態における「武力攻撃の着手」この「着手」について具体的に政府に答弁させなければならないし、国連憲章の集団的自衛権も批判すべきです。
今後の運動を考えると「必要なのは『労組』と市民と野党の共闘です。維新や参政党の動きに警戒しつつ、選挙では各党で調整しながら、早期に候補者を決定し、共倒れを避けなければなりません。私たちの運動は、教養講座ではありません。自己満足で終わらないよう、そして若者に働きかけながらも、押し付けではない運動が必要です」と、締めくり講演を終了しました。当日の参加者は82名でした。
*1931年9月18日満州事変のきっかけとなった鉄道爆破事件が満州の奉天近郊の柳条湖付近で、関東軍が南満州鉄道の線路を爆破した事件を占領の口実として利用した。
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