「辺野古土砂搬出」に揺れる奄美の現状報告

防衛省は2024年4月、沖縄普天間基地の名護市辺野古移設を巡り、軟弱地盤がある大浦湾側の埋め立てに奄美で採掘した土砂を、洗浄して使用することを検討していると発表しました。理由として、辺野古埋め立てはこれまで沖縄県内で土砂を調達してきましたが、軟弱地盤が見つかった(はじめからわかっていたはずなのに)ため2013年の埋め立て申請書に、土砂の採取候補地として奄美大島が含まれていることから、検討をすすめたとしています。

辺野古新基地建設は完成まで12年の計画で2018年12月の土砂投入ではじまり、総工費は当初の3,500億から計画変更を加え2.7倍の9,300億円に膨れ上がり、2022年度末時点で4,312億円以上が投入されている一方で、工事期間は大幅に遅れ、埋め立ての進捗(しんちょく)率は14%にしか過ぎません。辺野古の予算は底無しで、米軍のための基地建設に「国民が納めている税金が無駄に使われていることに」私たち国民は、怒りの声を上げなければなりません。

沖縄県は2015年、特定外来生物の侵入を防ぐため「県外からの土砂搬入を規制する条例」を制定していて、2016年に奄美で洗浄した石材を、那覇空港の増設工事に使用したのが条例施行後で唯一の事例で、私たちが2018年に、土砂の洗浄方法について防衛省に質しましたが回答がない中、工事は進められています。

5月の定例会見で塩田知事は、奄美からの搬出について問われ「沖縄県の条例に対応する形で、必要な手続きを進めてほしい」と防衛省に要請するだけで、県独自の回答は避けています。一方、資材高騰に苦しむ奄美の建設業者からは「経営のため辺野古への土砂搬出は必要」や「経済的な利点と沖縄に基地負担を強いる後ろめたさとの間でせめぎ合う気持ちがある」と、本音をのぞかせています。しかし、奄美のいたるところで防衛省の発表のあと8年間積み上げていた土砂に新たに積み上げている光景が見られます。また、港では、馬毛島基地建設用の捨て石が人の何十倍(右写真・赤丸は人)と積み上げられ、搬出を待っている状況です。