もう対米追従路線を見限る時期だ

副代表  中川路 守

「ロシアによるウクライナ侵攻」と言いますが、もともとはNATOの東方拡大やウクライナの政権が米国サイドに乗っとられたことにより、「緩衝地帯」が「緩衝地帯」でなくなっていくタイミングで「ロシアが反撃」を始めたのは事実です。

「ハマスによる奇襲攻撃」と言いますが、事件は10/7に唐突に起こったのではなく、ネタニヤフ政権がパレスチナへの「入植」行動を強行に推進したことに対する「反撃」であって、76年間の「報復の連鎖」のヒトコマです。

「ロシアによるウクライナ侵攻」に対して、G7各国と日本は経済制裁を加えて。ロシアを思いとどまらせようとしましたが、エネルギー・食糧ともに窮迫しているのはG7各国と日本の方で、ロシア経済は安定しています。

「ハマスによる奇襲攻撃」に対して、欧米各国と日本はイスラエル支援を表明しましたが、ハマスを支持する人々の行動のためにバブ・エル・マンデブ海峡等を航行する船舶の安全が確保しづらくなり喜望峰を回らざるを得ず、欧米各国と日本では物価高騰の一因になっています。アメリカも懸念するほどのジェノサイドと言われる軍事行動に対して、経済制裁を科してでも止めようとはしません。

「先進国」G7と「新興国」BRICSの経済力の格差は既に逆転しています。世界のGDPに占める割合で言えば、2010年と2023年を比較した場合、G7は34.3%→29.9%、BRICS26.6%→36.9%になっていますし、これを背景としてBRICSはドル建てになっている原油価格を人民元建てにしようとしています。

このままだと台湾有事が勃発する前に、アメリカは破綻。日本はエネルギーも食糧も確保できない状況に陥ってしまいます。だからこそ、日本政府はアメリカやウクライナに湯水のように国家予算を注ぎ込むし、対米追従路線をとることになります。アメリカが倒れるとG7も日本も倒れる。そんな強迫観念が政権を包んでいるのかもしれません。

そういったことをメディアが大々的に報じることはないのが日本の報道の自由度の低下の一因ではないかと思います。日本は対米追従路線を歩まなくても、平和憲法のもと、経済力をいかした外交をすればいいだけだし、不十分ながらもかつてはそうしてきました。武力に依った外交は絶対にしないということが、どれだけ関係各国の安心につながるかということを考える必要があります。政治体制の違いを乗り越えて、お互いにウィンウィンの関係になれるのは平和憲法があってこそです。