馬毛島基地建設を許さない!2・11集会開催!現地報告

2月11日(火)みなと大通公園において、「馬毛島基地建設を許さない!211かごしま集会」を開催しました。集会終了後、デモ行進を行い街行く人々に馬毛島の実態と懇切反対への賛同を呼びかけました。

以下の文章は、集会に種子島けら参加された「馬毛島への米軍施設建設する市民・団体連絡協議会」の副会長・前園美子さんの現地報告の文章です。

 

 

<馬毛島への米軍施設建設する市民・団体連絡協議会副会長・前園美子>

1.馬毛島に自衛隊基地をつくろうとしている防衛省

みなさま  こんにちは。

馬毛島基地建設に関心を寄せてくださり、こうして反対集会を開催してくださいましたこと、また、発言の機会を頂戴しましたことに、心から感謝申し上げます。ありがとうございます。

私は『馬毛島への米軍施設に反対する市民・団体連絡会』の前園と申します。

政府防衛省は、種子島から西に12㎞沖合の「馬毛島」に、恒久的に米空母艦載機離着陸訓練、いわゆる米軍FCLPを行う自衛隊基地を造ろうとしています。

米軍FCLPに加え、自衛隊も参加した激しい訓練が、年間130日間も行われるとされ、各種航空機の飛行回数は一日平均180回と想定されています。

米軍FCLPは、夜中の3時まで行われることになっており、西之表市から、わずか12㎞しか離れていない馬毛島に基地が建設されたら、激しい騒音による健康被害などで、島民の平穏な生活は根底から壊されることになり、私たちは馬毛島基地建設を断じて容認できません。

 

2.工事が始まって地元は

2023年1月12日、防衛省は環境影響評価の最終評価書を公告し、即日、馬毛島基地建設本体工事に着手しました。

それから2年が経った今、基地建設工事は着々と進み、それに伴い、2024年10月末時点で基地建設に関わる工事関係者が4,850人に達しています。

急激な人口の増加により様々な問題が生じています。

まず、工事関係者の住居を確保するため空き家があっという間に無くなりました。絶対数が不足し、高い家賃を払ってでも貸して欲しい、工事請負業者が値を釣り上げたことにより、家賃が二倍、三倍と高騰し、2Kの住宅が7万円だったものが30万円に高騰しているという情報もあります。高騰した家賃を払えなくて退去勧告を受けた市民もいます。

ホテルや民宿も押さえられ、観光客は宿泊先の確保が困難な状況が続いています。

今では、市内の空き地という空き地に、仮設宿舎やコンテナハウスが設置され、かつての種子島の様相を呈していません。

不審者による声掛け事案が発生したとの情報もあり、治安維持が懸念されています。

工事関係者のみならず、様々な人の流入により、犯罪が増えているとの情報もあります。犯罪発生状況は、西之表市では、2024年11月末時点で前年同期と比較して、14件増加の51件になっています。

学校関係者からは、通学路に大型トラックが往来し、児童・生徒の交通事故が懸念されるとしています。

西之表市から防衛省に、児童・生徒の安全確保について要請したところ、学校周辺の横断歩道に誘導員が配置されました。わずか10メートルしか離れていなくても、横断歩道ごとに配置されているのです。他の公共工事で、そのような対応がなされたことは聞いたことがありません。人件費もかさむであろうに、基地建設には、いくらでもお金を投入できるのだと思うと、空恐ろしい気持ちです。まさに防衛予算は青空天井です。

交通渋滞は深刻です。

工事が始まるまでは、交差点で信号待ちしても、せいぜい2台から3台程度でした。この前、数えてみました。なんと43台もの車が信号待ちしているのです。夕方は場所によっては、500m以上に及ぶ渋滞が発生します。この信号で渡らないと、という気持ちでしょう。信号無視が増えています。

交通事故は、西之表市では、2024年11月末時点で人身事故が前年同期と比較して、6件増加の10件、物損事故は45件増加の318件です。

港周辺の駐車場が満杯です。全然空いていません。県外ナンバーやレンタカーの長期駐車が目につきます。なかには、地元住民で、駐車禁止の場所に止めている人もいます。とにかく、車を置いていかないと、船に乗れないからです。高速船も予約が困難になっています。

工事関係車両の増加で住民の日常が脅かされているのです。

更に言えば、ゴミ処理の問題、携帯電話がつながりにくい、医療資源の乏しい離島にあっての医療のひっ迫など、離島という小さなコミュニティが、かつて経験したことのない変化に不安を覚えています。

基地推進派であった方からも、地域の変わりように「こんなはずでは無かった」と不安の声が聞かれます。

医療のひっ迫については、今、まさにインフルエンザのまん延で西之表保健所管内の、り患数は県内ワースト1位です。人が動くから感染者が増える、道理ですよね。

今では、それ以外の患者も増えて、診療の待ち時間がこれまでの倍になったという話も聞かれます。

漁業権を放棄した海域で漁をしていた漁師の方は漁ができなくなったので、店頭に地魚が見当たりません。帰省客や観光客は地魚を楽しみにしているものの、市場に魚が上がらないと仲買人の方はぼやいています。

漁ができなくなった漁師の方や漁業関係者は、海上タクシーや警戒船に乗船し、8万2千円の日当が支払われているようです。高額な賃金を支払い、物申さない住民を増やしているかのようです。

このような問題は、基地建設本体工事について、十分な地元説明も無く、あまりに拙速に、そして、「基地ありき」で、しゃにむにことを進めてきた防衛省の責任と言わざるを得ません。

莫大な費用をかけ、島の大部分を改変して基地とする計画が、甚大な環境破壊をもたらすことは必至です。どの地域でも住民反対運動で追い出された米軍FCLP訓練が、住民の平穏の暮らしを破壊し、島に住む生物に深刻な被害をもたらそうとしているのです。

 

3.市民の分断が起きている

一方で、基地建設が進む中で、再編交付金により地域が活性化すると、期待を寄せる人もいます。市民の間には、いくばくかの利益を得る人もいます。人が増えているので、食材や物資の売り上げは伸びています。お弁当をつくる人や、作業員住宅の清掃作業に高額の賃金が支払われていると聞きます。みんな生活がかかっていますので、同じ働くなら、高額な賃金が支払われるところに行きますよね。結果、農業に従事する人、商店街で働く人、介護施設や医療機関で働いていた人の転職につながり、どこも人手不足です。閉所した介護施設もあります。

この時期、基幹産業であるサトウキビの収穫時期ですが、製糖工場に運搬する車両の運転手不足が深刻だと聞いています。

工事が終わるまでの期間、我慢すれば済むのでしょうか。農業、漁業の一次産業は回復できるのでしょうか。観光業は成り立っていくのでしょうか。西之表市の、明るい未来予想図は描けるのでしょうか。

基地ができることで一番怖いことは、豊かな自然、静かな環境、穏やかに人が住んでいる島が壊されることよりも、基地建設に反対、推進の間で、人間関係がギクシャクし、市民の間に分断が生じることかもしれません。

 

4.政府防衛省はどこを向いているのか

 今、市民のなかには諦めに似た雰囲気があるように感じます。

2019年に米軍FCLPを行うことを目的に、政府が予算流用という国会審議を要さない手法で土地評価額の三倍以上の高値で馬毛島を購入したころは、市民の7割以上が反対していました。

しかしながら、地元の明確な同意が無いなかで、一方的に工事を進める政府防衛省のやり方に、国のやることだから、という諦めが広がってきているように感じます。

一方で、ロシアのウクライナ侵攻やイスラエルのガザ地区攻撃の報道に触れ、馬毛島に基地ができたら攻撃の標的になるかもしれない、という不安があるのも確かです。

地元の理解が一番だ、という防衛省。現実はそうではありません。戦争遺跡である防御陣地のトーチカが撤去される際に、市職員の立ち合いを求めたのに、それも叶わず、馬毛島の原風景である岳之腰も、削りとられてしまいました。魚の種類が豊富で、漁師の方が「宝の島」と呼んでいたあの馬毛島は、もう、緑のない茶色の世界です。

防衛省はどこを向いているのでしょうか。米中関係から台湾有事を煽り、抑止力としての防衛力増強と政府は言いますが、他国の内政干渉に繋がりかねないことに莫大な税金を投入すべきときなのでしょうか。物価高、低賃金、国民は疲弊しています。国が見るべき先は米国ではなく、国民のはずです。

更に言えば、抑止力が必要との認識をお持ちの方もいますが、相手の戦力を超えるほどの戦力を持たなければ、抑止力にはなりません。お互いが、戦力を増強することにつながります。では、相手が核を保有すれば、どうなるのか。

唯一の戦争被爆国である日本が核を保有するのか。そんなことは有り得ない。あってはならないことです。

2024年10月11日、日本被団協が、ノーベル平和賞を受賞しました。「核兵器の無い世界を実現するために努力し、証言をもって、核兵器が二度と使われてはならないという活動を行ってきた」そのことが受賞理由とのことです。核兵器保有が懸念される抑止力に、正当性があるのでしょうか。

 

5.軍事基地反対の声を上げてください

防衛省は2025年度予算案に馬毛島自衛隊基地整備の関連費として契約ベースで473億円を計上しました。このことにより、2012年度からの契約額が1兆円を超えました。

ここにきて、防衛省は工期3年延長を発表しました。昨年の9月10日のことです。南日本新聞の一面で報道されました。

解説の中で、『防衛省は、延長理由に波が高く海上輸送が遅れている点を挙げた。「インフラが整っていない離島という特殊な条件」の厳しさが浮き彫りになった。裏を返せば見通しの甘さでもあり、計画を作成した過程の、検証と丁寧な地元説明が不可欠だ』としています。

現在の影響が更に続くのか、と不安と怒りでいっぱいです。不安の解消のためには、基地建設中止しかありません。

馬毛島に軍事基地は要らないでしょう!

馬毛島だけではありません。日本のどこにも軍事基地は要らないのです。

中国に対する抑止力を高めるための南西防衛と国は言いますが、外交努力でこそ解決すべきものではないでしょうか。

私たち「市民・団体連絡会」の力は小さいかもしれません。ですが、「水積もりて川を成す」と言います。ご参集の皆様の力を結集し、軍事基地建設に反対する大きなうねりを創っていこうではありませんか。「反戦・平和」の旗に結集する皆さん。どうかお力をお貸しください。

よろしくお願いいたします。  ありがとうございました。