オスプレイ飛行再開に思う 

屋久島沖でのあの衝撃的な事故の記憶もまだ生々しく残っているなか、オスプレイの飛行再開の

代表 平井 一臣
代表 平井 一臣

ニュースが飛び込んできた。3月8日に米軍が飛行停止措置を解除したのに続き、13日には防衛省が14日以降の順次飛行再開を発表し、翌日には在日米軍のオスプレイが早速沖縄の普天間基地から飛び立った。この一連の経過は、あれほどの事故を起こしながらも、地域住民の安心と安全など全く考慮しない米軍の姿を、そして米国の行動にただただ追随するばかりの日本政府の姿勢を改めて浮き彫りにした。3月15日付の『南日本新聞』によれば、塩田知事は、報道によって14日の飛行再開を初めて知ったとのこと。前日の13日に県庁を訪れた九州防衛局次長が「飛行再開時は連絡する」と説明していたにもかかわらず、である。

同紙に掲載された元運輸相事故調査官の楠原利行氏のコメントによれば、現時点での事故調査は「民間機の重大事故ではあり得ず乱暴」というほど不十分なものである。また、同氏は、軍用機による民間空港の緊急利用のリスクを指摘し、とくに「滑走路が1本で誘導路がない離島空港に軍用機を着陸させない」ことを国、米軍に求める必要があるとも述べている。つまり、事故原因の徹底解明と再発防止策の提示のみならず、近年急増している軍用機の民間空港利用それ自体がもつリスクも指摘しているのである。

こうした点を考慮するならば、知事をはじめとする自治体関係者は、今回の事態をもっと深刻に受け止める必要があるのではないのだろうか。知事は会見で今回の事態に不満の意を表明した。しかし、単に不満を述べるだけでは済まない問題だと思う。今回のようなことがまかり通ることになれば、それこそ何でもあり、地元住民や自治体の意向などお構いなしに既成事実がどんどん積み重ねられていくことになるだろう。また、こうしたことは防衛相にとっても好ましいことではないはずだ。防衛相がいくら説明の努力を行っても、自治体や住民は、「どうせアメリカが方針を変えたらそれに追随するだけでしょ」「あれこれ説明しても、どうせ住民のことは二の次なんでしょ」という不信の目をもってしまうからである。

そして私たち地域住民も、今回の出来事を「他人事」として見るのではなく、「自分事」として真剣に考えてみる必要がある。今回のオスプレイ飛行再開問題は、それくらい重大かつ深刻な問題なのである。