オスプレイ墜落事故に思う

代表  平井 一臣

11月29日、屋久島沖に米空軍輸送機CV22オスプレイ機が墜落した。事故発生の前に屋久島代表 平井 一臣空港に同機からの連絡が入っており、機体に何らかの異常が発生し緊急着陸を試みようとしたが、屋久島空港到着前に墜落したものと見られる。

事故発生直後から痛感させられたのは、米軍の分厚い壁である。事故発生当初、日本政府は「墜落」という用語を用いず「不時着水」という用語を用いた。米側が「墜落」という用語を用いていなかったからというのがその理由らしい。しかし、現場で事故を目撃した地元漁業関係者の証言は墜落以外の何ものでもないことを示していた。自国民の証言は疎んじられ米軍への配慮を優先させる政府の姿勢が浮き彫りになった。

私たち護憲平和フォーラムも、県にオスプレイの飛行停止や事故原因の徹底究明と情報公開を求める申し入れを事故翌日に行った。しかし、事故の翌日も沖縄ではオスプレイの離発着が行われた。空軍ではなく海兵隊所属のMV22オスプレイではあるが、事故が起きても何ら変わることなく沖縄上空をオスプレイが飛行しており、米軍にとっては住民の不安などどこ吹く風といったところなのだろう。

今回の事故が海上での事故だったこともあり、当初は地元漁業関係者や海上保安庁が中心になり救助活動や回収作業を行った。だが、米軍による作業の本格化に伴い(原子力空母カールビンソンまで投入された)、活動内容そのものが秘密のベールに包まれていった。もし地上での事故であったならば、より早い段階から米軍の徹底した管理がなされていたであろう。

オスプレイ墜落事故は、私たちに様々な問題を突き付けている。一つは、ここ数年、急速に展開されている南西諸島の防衛力強化により、事故のリスクが格段に高まっているということである。馬毛島のFCLP訓練施設建設、奄美大島への自衛隊基地建設、南西諸島を舞台とした様々な訓練の展開が進められてきた。私たちの生活圏に軍事的空間が覆いかぶさりつつあるのであり、事故のリスクは高まることはあっても減ることはない。

もう一つは、冒頭に指摘した米軍の分厚い壁である。日米地位協定とそれを根拠づける合意議事録の存在により、今回のような事故が起きても、日本側は手も足も出せない。事故翌日からオスプレイが離発着を繰り返しても、住民は不安を抱えながら眺めるしか
ない。

今回の事故をきっかけに、軍事力の強化が私たちの日常の生活にどのような影響を与えるのか、私たちはしっかりと考える必要がある。地域での反戦と平和の活動が果たすべき役割はますます大きなものとなるだろう。