海自鹿屋基地(鹿児島県鹿屋市)への「無人機配備の経過と現状」

防衛省は2015年5月に、米軍の空中給油機KC130の鹿屋基地での訓練の概要を鹿屋市に示し、12月の副防衛大臣との面談では、①タッチアンドゴー、②地上給油訓練、③荷下訓練以外に「追加で部隊の移駐や訓練の拡大及び米軍の基地化は考えていない」と伝え、2019年9月に訓練は開始されました。

訓練回数が年々減少していく中、防衛省は2022年10月に、米軍無人機部隊200人を鹿屋基地に配備し、無人機(MQ-9)8機を運用すると鹿屋市に伝えました。運用は1年間の期限付きで、200人の隊員は鹿屋市内に宿泊することで、市民からは経済効果が大きいと配備を望む声が上がる一方で、離着陸は鹿屋基地で行い、一定の高度になるとアメリカ本土からの衛星通信で飛行する無人機ゆえの航空事故を懸念する声もあり、市民に具体的な説明もないまま運用は開始されました。2023年8月22日、心配していた無人機の滑走路を逸脱するオーバーラン事故が基地内で発生しました。けが人や基地周辺への被害はなかったものの、滑走路でなく市街地上空なら大惨事になる事故です。

防衛省は逸脱した距離や損傷の程度を米側に確認し、安全対策の徹底や原因究明、再発防止策の迅速な情報提供を求めましたが、自衛隊機では同省が事故調査委員会を立ち上げるものの、米軍機のため日米地位協定のガイドラインに基づき原則として米側が独自に調査し、これまで同様、事故原因の十分な説明もないまま、急遽、沖縄の嘉手納基地への恒久的な移駐が決まりました。移駐が決まり喜ぶ市民は、ひとりもいません。「次に、何が来るのか」という心配があるからです。市民の心配をよそに防衛省は、2024年6月から鹿屋基地で、青森県八戸基地の大型無人機シーガーディアン(MQ9B)の試験運用を始めましたが、この無人機は、横風に弱く、期待の電源系統の不具合が露呈されていて、天候不良を理由に、八戸から鹿屋への飛来を3回延期しています。無人機配備の背景に東シナ海や太平洋で活動を広げる中国の存在を指摘していますが、自衛隊員の定数われが原因で、任務の一部を有人機から無人機に置き換えることで不測の事態は起きる可能性があり、中国との関係を武力衝突に発展させないために、日本政府に外交による対話を求めなければなりません。