知事選を振り返る
代表 平井 一臣
去る7月7日に投開票が行われた鹿児島県知事選挙。二人の女性新人候補者が現職知事に挑戦するという構図で行われたが、選挙戦は盛り上がりに欠け、投票率は45%を下回った。前回の選挙から5%以上の減である。4年前はコロナ禍のなかで集会も行えない状況のなかでの選挙だったのであるから、今回は前回を上回ってもおかしくなかった。実際、同じ日に実施された東京都知事選挙では60%を超える投票率を記録した。
どうしてここまで投票率が下がったのだろうか?挑戦した二人の候補者の出馬表明が遅く準備が出遅れたことも多少は響いたのかもしれない。また、県立体育館問題、川内原発問題、馬毛島基地問題をめぐって、論戦が具体的なレベルまで展開されなかったことも影響したのかもしれない。
しかし私は、今回の低投票率により大きな影響を与えたのは、政党や労働組合の立ち位置にあったように思う。現職の塩田氏は、前回選挙の草の根型の運動に加え、自民党、公明党による推薦、さらには国民民主党と連合からも推薦を得ることができ、「県民党」的な立ち位置をアピールすることに成功した。立憲民主党は結局方針を打ち出すことができず、社民党は自主投票、共産党は樋之口氏への自主的支援、というかたちで、国政レベルでの野党勢力はバラバラの対応になってしまった。その結果、4月に行われた衆院補欠選挙や5月の静岡県知事選挙をはじめとする地方選挙で有権者を突き動かした自民党裏金問題に対する怒りは、鹿児島県知事選挙においては行き場を失ってしまったのである。
最近、海外の知人と話をしていて日本の選挙の話題になった。私が国政で対立している与党と野党が、地方選挙では協力することがあると言うと、「不思議だ」「理解できない」という反応が返ってきた。確かにそうだろう。政党は、一定の政治理念のもとに政策を体系化し、それを実現するために競合し合うものである。国レベルの政策と地方レベルの政策は相互に関連し合ってもいる。中央で対立している政党が、なぜ地方では協力できるのか?日本の外から眺めれば、実に不思議な現象に映るのである。
このような中央と地方のねじれは、若者の政治離れを加速させるものでもある。国政では与党を批判しながら、地方選挙では協力をする政党のあり方は、選挙権を得たばかりの若者にとっても理解しがたいものに映るし、有権者をないがしろにする党利党略と見えるだろう。東京都知事選挙での「石丸現象」の背景には、こうしたことも作用したように思う。
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