地方の深刻な課題
副代表 満永 正幸
10月に発足した石破内閣は、「地方創生政策」を打ち出し、地方創生を再始動するとともに、地方創生交付金を倍増させるとの方針を示した。 この間、何度も地方創生という言葉を聞いてきたが、地方は衰退していく一方である。2014年、当時の安倍内閣が、東京一極集中を是正し、人口減少や地方の衰退に対処するための政策を打ち出したが、中央省庁での地方移転は、文化庁が京都市に移転(東京にも拠点が残る)したたけで、他の省庁においても、一部機能を地方に移転したに過ぎない。全国的な課題でもある少子化に歯止めがかからず、地方の人口減少は急激に進んでいる。
こうした中、行政に勤めていたものとして、私の思う地方の深刻な課題は、①公共交通問題②空き家問題である。
まずは、公共交通問題。利用者減少による路線バスの廃止、利便性の悪さによる利用者の更なる減少と負のスパイラル現象が起きている。交通空白や交通弱者のために、各自治体では、デマンドタクシーや乗り合いタクシー、巡回バスなどを運行させているが、使い勝手が悪いことや時間が限られていること等の理由から住民の評判はよくない。ある程度の財源があれば思い切った施策を打ち出せると思うが、財源には限りがある。また、鹿児島市内でも2024年問題や運転手不足と高齢化、独立採算性重視による便数の減少などが発生している。ドル箱路線は競合しており、利用者からすると無駄な運行をしているような気がする。民間事業者は、利益を追求しなければならず、結果的に公営交通が過疎部を運行すればよいと思うが、公営企業会計では、独立採算性が原則のため難しい。私の提案は、公営企業会計の見直しと交通税(県税)を導入し、公共交通財源に充てるべきと考える。現在、滋賀県が交通税導入を検討している。この税を財源として、都市部はバス運行に対する助成、肥薩オレンジ鉄道運行への助成、過疎部は病院・買い物・行政機関へのタクシー代助成などに幅広く活用すればよいと思うが。結果的に高齢者の免許返納が進むのではないかと考える。
2点目は、空き家問題である。一昔前は、長男が実家・本家を継ぐといったような伝統的な考えがあったが、今やそれぞれが独立した新家を建てる。または、町外への転出者等も多く、実家が空き家となって朽ちている危険家屋をよく見かける。解体して買い手が見つかればよいが、空き地期間が長ければ、その管理も大変である。過疎部は特に大変である。この空き家問題には妙案がない。どうしたらよいか、住民も行政も手をこまねいている。
その他にも、生活利便性の低下(買い物・病院など)や経営者の後継者不足(もちろん農業も)、労働力不足など地方には特有の課題が山積している。どの課題にも特効薬はないが、国・県・市町村、住民が全体で共有し考え、解決しなければならない課題である。
鹿児島県鹿児島市鴨池新町5−7
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